糖尿病の原因
糖尿病(第2章)

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食習慣、インスリン不足・・糖尿病の原因と血糖コントロール

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糖尿病 (2章-1) 糖尿病になりやすい人は?

糖尿病になりやすい人の傾向や特徴はあるのでしょうか。ここでは一般的に考えられている、
糖尿病に陥りやすい人の特徴について考えてみることにします。

糖尿病患者に見られる傾向

 糖尿病の中でも「2型糖尿病」は、遺伝的な要因に加えて生活習慣が発症に大きく影響します。そのため、生活習慣を改善することで一定の予防効果を見込めます。2型糖尿病になる人はどんな傾向が見られるのでしょうか。生活習慣を中心に主な特徴を以下にまとめます。

肥満

 身体活動に使われずに余ったエネルギーが、脂肪として体内に徐々に蓄積すると肥満になります。脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪があり、糖尿病では特に内臓脂肪に注意を払う必要があります。内臓脂肪がたまると善玉ホルモンであるアディポネクチンが減少し、悪玉ホルモンであるTNF-αやMCP-1といったホルモンやサイトカインが増加します。悪玉ホルモンはインスリンの働きを悪くする作用があるため、インスリン抵抗性が起こります。するとインスリンを作る膵臓のβ細胞が徐々に疲弊し、インスリンが出にくくなって糖尿病になるのです。なお、食べすぎや運動不足による過剰なエネルギーが内臓脂肪に収容しきれなくなると、その先、肝臓や筋肉などに脂肪として蓄積されます。これを異所性脂肪と呼び、これらの臓器のインスリン抵抗性の原因となります。肝臓の異所性脂肪は脂肪肝と呼ばれますが、最近では筋肉の異所性脂肪を脂肪筋と呼ぶこともあります。
 特に女性の場合、閉経後は女性ホルモンが減少するため、内臓脂肪がたまりやすくなります。食べすぎや飲みすぎに注意し、太り気味なら減量するなどして肥満を解消するようにしましょう。なお、日本人は欧米人に比べてインスリンの分泌力が低いといわれています。そのため、小太り程度でも注意する必要があります。

運動不足

 運動不足は肥満を招き、その結果として上記のような症状から糖尿病を引き起こしやすくなります。現代社会は電車やバス、自家用車などの交通網が発達し、体を動かす機会が以前より減っています。意識して体を動かし、脂肪を燃焼することが大切です。運動すれば内臓脂肪が燃えて減り、肝臓や筋肉の異所性脂肪も減っていきます。

乱れた食習慣

 日々の食事で気をつけたいのは「食べすぎ」「早食い」「食事が不規則」「飲酒量が多い」「甘い飲食物を多く取る」などです。加齢によって基礎代謝が低下すると、食べた分のエネルギーを消費しにくくなります。その結果、エネルギーとして使われずに余ったブドウ糖が内臓などに蓄積してしまいます。40歳前後に急激に太ったという人は食べすぎの可能性があります。

肥満や食べすぎ/飲みすぎは糖尿病を招く要因に

 食べすぎや飲みすぎによって肥満になると、糖尿病を引き起こしやすくなる。食生活を見直しつつ、運動習慣を取り入れることで肥満を解消することが大切である。

 また、一度にたくさん食べると血糖値が急上昇します。加齢とともに膵臓やβ細胞の機能も低下するため、血糖値が上昇しやすい食べ方をしていると、機能はさらに低下して糖尿病になりやすくなります。甘い飲み物や食べ物、さらにはビールや日本酒などの糖質を多く含むアルコール飲料の取りすぎにも注意しましょう。
 不規則な食事は血糖値の日内変動に悪影響を与えます。通常は朝食後に血糖値が上昇し、昼食前には下降しますが、食事のタイミングが不規則だと血糖値が十分下がらない状態が続き、膵臓のβ細胞に負担をかけることになります。

過度なストレス

 過度なストレスをかかえ続けているとインスリンの感受性が悪くなり、インスリン抵抗性が起こることが知られています。また、ストレスが引き金となって暴飲暴食やアルコールを過剰摂取してしまう人は少なくありません。ストレスを抱え込まず、発散する術を身につけることも大切です。

生活習慣以外の糖尿病を招く要因

 日々の生活習慣とは関係ありませんが、遺伝や加齢が糖尿病のリスクを高めることもあります。家族や親戚に糖尿病の人がいる場合、遺伝的要因のある家系であることが考えられます。家族はもとより、親戚も含めて糖尿病を患った人がいないか確認しておくことも大切です。ただし、家族や親戚に糖尿病の人がいないからといって心配する必要がないわけではありません。日々の生活習慣によって糖尿病になるリスクは十分あるため、遺伝的な要因だけで判別するのは好ましくありません。
 また、40歳をすぎたころから注意を払う必要もあります。加齢とともに膵臓やβ細胞の機能が低下するためです。加齢は糖尿病を発症する要因の1つです。これまで健康だったとしても40歳をすぎたら十分注意しましょう。

糖尿病 (2章-2) 糖尿病の原因はインスリン不足

糖尿病を理解する上では欠かせないのがインスリンです。
具体的にどんな役割を果たし、インスリンが不足するとどのようになるのでしょうか。
インスリンについて詳しく解説します。

糖代謝に欠かせないインスリン

 血液中のブドウ糖(血糖)は、糖代謝によって全身でエネルギーとして使われます。しかし、そのためにはインスリンというホルモンが必要です。
 インスリンは膵臓のランゲルハンス島という細胞の塊の中にあるβ細胞で合成され、分泌されます。私たちの体は心臓を動かしたり呼吸したりするため、休むことなくエネルギーが使われます。常に少量のインスリンが分泌されており、これを基礎インスリンといいます。また、食事をして血糖が増えるとインスリンが分泌されます。これを追加インスリンといいます。
 血液中に分泌されたインスリンは、ブドウ糖が細胞に取り込まれるときの手助けをします。細胞にはインスリン受容体という鍵穴のような構造があり、インスリンが鍵として扉を開けることでブドウ糖が細胞の中に入れるようになります。
 インスリンはブドウ糖をグリコーゲンとして肝臓に貯蔵する際、グリコーゲンの合成にも使われます。ほかにもタンパク質の合成、脂肪酸の合成、細胞の増殖などにも必要です。こうしてインスリンが必要に応じて分泌されることで、血糖値は食事をしても一定の範囲内に保たれるのです。

インスリンの量が不足し働きが悪くなることも

 糖尿病は血糖値が上昇する病気ですが、その最たる原因はインスリンの量が不足したり働きが衰えたりするためなのです。
 インスリンの量が不足するのは、遺伝や体質によってβ細胞からのインスリン分泌、後に追加分泌が低下することが大きな原因となります。働きが衰えるのは、インスリン受容体への結合からブドウ糖の取り込みまでの経路が障害されることが原因で、これをインスリン抵抗性といいます。遺伝や体質によって糖尿病になりやすいβ細胞を持った人が、肥満などが原因でインスリン抵抗性になると、インスリンを分泌しているのに血糖値が下がらなくなります。このとき膵臓のβ細胞は、インスリンが足りないと判断してインスリンを分泌し続けます。この状態が続くとβ細胞は疲弊し、インスリンを合成する能力が低下します。さらにはβ細胞が壊れて現象し、インスリンを十分分泌できなくなり、糖尿病になってしまうのです。

膵臓のβ細胞がインスリンを分泌

 インスリン抵抗性によって血糖値が下降しにくくなると、膵臓にあるβ細胞はインスリンを分泌し続けて血糖値を下げようとする。その結果、β細胞は疲弊してインスリンを十分に分泌できなくなる。

膵臓はブドウ糖を作るホルモンも分泌

 膵臓から分泌されるのはインスリンだけではありません。ランゲルハンス島にはβ細胞以外にもいくつかの細胞があり、体に必要なホルモンを作っています。その中の1つであるα細胞は、グルカゴンというホルモンを分泌します。グルカゴンは肝臓に貯蔵されたグリコーゲンを再びグルコース(ブドウ糖)に戻すときに必要なホルモンです。血糖値が低いとき、つまり血液中のブドウ糖が少ないとα細胞がグルカゴンを分泌し、肝臓に蓄えられたグリコーゲンをブドウ糖にして血液中に戻します。血糖値を下げるホルモンがインスリンで、血糖値を上げるホルモンがグルカゴンということです。
健康な人の体は、これらのホルモンによって血糖値を一定に保っています。インスリン抵抗性、あるいはインスリン分泌不足になると、血糖値が高いのに体の各細胞ではブドウ糖が使われていない状態になります。すると脳はブドウ糖が足りないと判断し、α細胞にグルカゴンの分泌を指示します。肝臓に貯蔵するグリコーゲンがブドウ糖に戻され、血液中に取り込まれることで血糖値はさらに高くなってしまうのです。

糖尿病 (2章-3) 症状軽減には血糖値のコントロールが不可欠

糖尿病は血糖値の上昇が大きく関係していることから、
血糖をコントロールすることが治療や予防する上で重要です。
具体的に血糖値をどのくらいの値に近づけるのが望ましいのでしょうか。
治療や予防に必要な事項も含めて整理します。

血糖コントロールの目標値は?

 糖尿病治療の基本は合併症予防のための血糖コントロールです。血糖コントロールとは血糖値を正常な数値に近付けることをいいます。合併症予防のための血糖コントロールの目標値は、ヘモグロビンA1c(HbA1c)値が「7.0%未満」です。HbA1c値は過去1~2カ月の血糖値の平均を反映する指標となります。なお、正常者の基準値は「4.6~6.2%」です。
 HbA1c値が7.0%未満に対応する血糖値の目安は、空腹時血糖値が「130mg/dL未満」、食後2時間血糖値が「180 mg/dL未満」となります。
 薬物治療をしていて低血糖を起こす人、もしくは合併症を発症して治療が困難な人の場合、「8.0%未満」を目標値とします。食事療法と運動療法だけで目標達成できる人や、薬物療法を行っていても低血糖の心配がない人の場合、「6.0%未満」を目標値とします。

血糖コントロール目標値

 治療目標は年齢、罹病期間、臓器障害、低血糖の危険性、サポート体制などを考慮して個別に設定する。

 この目標値は成人に対しての数値で、妊娠中の人を除きます。また、65歳以上の高齢者は加齢による身体機能の低下を考慮した上で異なる目標値が設定されます。

治療の基本は食事療法と運動療法

 糖尿病の具体的な治療は時期によって異なります。初期なのか、かなり進行した状態なのかを見極め、状況に応じて適切な治療を行うことが大切です。例えば、健康診断で糖尿病と診断された場合、初期である可能性があります。一方、合併症を併発している場合、糖尿病がすでに進行している可能性が高くなります。
 初期ならば、治療の基本は食事療法と運動療法です。ただし、食事療法と運動療法を2~3カ月行っても目標の血糖値にならない場合、薬物療法を始めます。なお、食事療法と運動療法は、血糖値を下げるだけでなく、合併症発症のリスクとなる高血圧や脂質異常症、肥満を改善する効果を見込めます。

薬物治療には経口薬と注射薬

 薬物療法には経口薬(飲み薬)と注射薬があります。インスリンの効きが悪いインスリン抵抗性であっても膵臓がインスリンを生成・分泌できる場合、経口薬と一部の注射薬を使ってインスリンの分泌を促したり、インスリンを効きやすくしたりする治療を行います。膵臓の機能が低下してインスリンが十分に作られない場合、あるいは経口薬などで血糖値が下がらない場合、インスリンを体外から注射で補うインスリン療法も行います。