糖尿病の予防
糖尿病(第4章)

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食生活の改善と運動の習慣化で糖尿病を予防!

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糖尿病 (4章-1) 食生活の改善で糖尿病を予防

糖尿病(2型糖尿病)の原因は遺伝的な要因に加え、甘い菓子を食べたりジュースを飲んだり、
運動をしなかったりといった生活習慣が大きくかかわります。
今後、糖尿病にならないためにも、
これまでの生活を見直し、生活習慣を改善することが大切です。

食生活を徹底的に見直す

 糖尿病になったら、まず改善したいのが食習慣です。糖尿病の人の中には、不規則な食生活を理由に糖尿病を患ったり、症状を悪化させたりするケースが少なくありません。特に肥満気味の人の場合、「暴飲暴食した覚えはなく、若い頃から同じ食生活を続けているのに、気づいたら太っていた」という人は多いのではないでしょうか。私たちの体は加齢とともに老化し、エネルギーの基礎代謝が低下します。加えて日々の生活で体を動かす機会が極端に減ると、ますます太りやすくなってしまうのです。
 一般的には40歳前後から太りやすくなるので注意しましょう。男性の場合は30代から意識するようにします。食事の量が増えたわけでもないのに体重が増えたら、基礎代謝が低下したサインです。食事の栄養バランスに気をつけながら毎日の献立を見直してみましょう。女性の場合、基礎代謝の低下に加えて閉経後に太りやすくなることがあります。基礎代謝が下がりやすい40代と、閉経後は体重の変化に気をつけることが大切です。

肥満予防のための食生活の改善方法

 1日のエネルギー摂取量にも配慮します。男性の場合は「1,600~2,000kcal」、女性の場合は「1,400~1,800kcal」の範囲内を目安に摂取するのが一般的です。食品のカロリー表示をチェックしたり、類似するメニューのカロリー数を調べたりして、食事のカロリーを把握することから始めてみましょう。
 なお、ジュースやスポーツ飲料などの飲み物の中にも高カロリーなものがあります。カロリー数をこまめに確認するなどして、摂取カロリーを控えるようにしましょう。
 「食べすぎ」にももちろん気をつけます。普段から食べすぎないよう意識し、「腹八分目」でとどめるようにします。「料理を作りすぎてしまった」「料理があと少しだけ残っている」というとき、つい食べてしまう人は多いでしょう。しかし、料理を作りすぎないようにして食べる機会を減らすよう工夫しましょう。

食後高血糖にしない食事の工夫

 人は加齢とともに筋肉でのインスリンによる糖取り込みが減少します。そのため、血糖値が上昇しやすくなってしまうのです。特に食後は、ブドウ糖が一気に体内に吸収されるため血糖値が上昇します。
 では食後の血糖値上昇をどのように防げばよいのでしょうか。その手段の1つが「ベジタブルファースト(ベジファースト)」です。食事のとき、先に野菜から食べる食事法です。
 ゴボウやキャベツ、枝豆、カボチャなどの食物繊維を豊富に含む野菜は、ほかの食品の消化吸収を緩やかにする効果があります。ご飯や麺類などの炭水化物に含まれる糖質の吸収も緩やかにするため、ブドウ糖が体内に吸収されるのを緩和します。そのため、食後の血糖値上昇を抑えるのに効果的です。また、食物繊維を多く含む野菜は、よく噛んで食べるのが基本です。たくさん噛むことで満腹感をえられやすく、食べすぎを抑える効果も見込めます。
 空腹の時間帯を作ることも血糖値の上昇を抑えるのに有効です。血糖値は食後に上昇し、次の食事までの時間をかけて徐々に元の値に戻ります。もし食事の後に間食すると、膵臓はインスリンを常に分泌し続けなければなりません。膵臓に負担がかかるためインスリンの分泌量は減り、血糖値が下がりにくい状態になってしまう場合があります。間食を繰り返すと、血糖値は徐々に上昇してしまうのです。食事と食事の間隔を空け、膵臓に負担をかけない食習慣を作ることも大切です。

糖尿病を予防する食事のポイント

 ・腹八分目。1日のエネルギー摂取量を気にした食事を心がける。
 ・ベジタブルファースト。食物繊維が豊富な野菜を食べてからご飯を食べる。
 ・決まった時間帯に1日3食。間食を控え、空腹の時間帯を作る。

糖尿病 (4章-2) 運動の習慣化で肥満を解消する

糖尿病の予防策として運動の習慣化は実施したい取り組みの1つです。
糖尿病の予防のみならず、さまざまな病気や症状を改善する効果も見込めます。
ここでは取り組みたい運動内容について解説します。

“3メッツ”以上の活動を取り入れよう

 糖尿病を予防するには、食生活の改善だけでなく適度な運動を生活に取り入れることが重要です。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」によれば、健康診断の結果が基準範囲内である人が、糖尿病を含む生活習慣病などの病気を予防するには、18~64歳なら「3メッツ以上」の強度の身体運動を毎日60分行うことをすすめています。「メッツ(METs)」とは運動強度を表す単位で、安静時を1メッツとして、安静時の何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を表わします。例えば3メッツは通常に歩行する身体活動が目安で、歩数に換算すると1日8,000~10,000歩になります。65歳以上の人は、強度を問わず毎日40分の身体活動がすすめられており、歩数に換算すると2,000~4,000歩が目標となっています。
 「身体活動」というのは、日常生活における労働や家事、通勤、通学などの活動と、スポーツなどの特に体力の維持/向上を目指し、計画的/意図的に実施する継続性のある運動を足したものになります。3メッツ以上の生活活動には普通歩行のほかに、掃除をする、自転車に乗る、早歩きをする、農作業をする、階段を早く上がるなどがあります。
 運動する時間を確保できない場合、普段の生活の中で体を動かす時間を作りましょう。例えば最寄り駅より1つ前の駅で降りて歩いて帰宅したり、エレベーターを使わず階段を使ってフロアを移動したりする工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか。体を動かす時間を意識して作り出すよう心がけてみましょう。

1週間60分の運動をすればより効果的

 18歳から64歳の人は身体活動とは別に、3メッツ以上に相当する運動を1週間あたり合計60分以上実施しましょう。3メッツに相当する運動にはボウリングやバレーボール、社交ダンスなどがあります。趣味を持ったりサークル活動に参加したりしてスポーツを始めてみてもよいでしょう。定期的に運動する機会を作り出すことが大切です。

目安となる「身体活動」と「運動」内容

出典:健康づくりのための身体活動基準2013

これから運動を始める人への注意点

 運動習慣のない人が運動を始めるときは注意が必要です。いきなり「ウォーキングを1時間」などと張り切るのは、必ずしも好ましくありません。長時間の運動を急に行うと、事故やけがを起こしかねません。まずは軽めの運動から開始し、徐々に時間を長くしたり負荷をかけたりするようにしましょう。また、少しでも体調に異変を感じたら、無理をせずに運動を中止することも大切です。体調が悪くなったり痛みを感じたりする場合、できるだけ早く医療機関を受診し、医師や健康運動指導士などに相談するようにしましょう。

安全に運動するための注意点

 ・体を動かす時間は少しずつ増やす
 ・体調の良し悪しにかかわらず無理をしない
 ・病気や痛みのある場合、医師や健康運動療法士などに相談する

糖尿病 (4章-3) 治療時に陥りやすい低血糖リスク

糖尿病を予防するにあたり、食事や運動といった生活習慣の改善とともに
薬を服用している人は少なくないでしょう。健全な糖尿病予防に見えますが、
そこにはリスクもあるので注意が必要です。そのリスクの1つが「低血糖」です。

危険な状態を招く低血糖

 血糖値の上昇を防ごうとして薬を服用したら低血糖になったというケースがあります。低血糖の状態を放置して見逃してしまうと意識不明や昏睡の状態に陥る危険があります。
そもそも低血糖は、血糖値が70mg/dL以下になった状態を指します。70mg/dL前後では、あくびが出たりぼーっとしたりする症状が現れます。さらに50mg/dL以下になるとイライラ、手足の震え、冷や汗、動悸、吐き気などの症状も現れます。20~30mg/dLを下回ると意識が朦朧(もうろう)として、意識喪失、けいれんを起こします。昏睡状態に陥る危険もあります。

低血糖の主な症状

 インスリン療法を実施中の人の中には、食事量が減ったり過度な運動をしたりすることで低血糖を引き起こすケースが少なくありません。そのため、日頃から血糖値の変動を把握できるように、自ら自宅で計測できるようにしておくことも必要です。低血糖によると見られる症状が現れたら、たとえ大したことがないと思っても低血糖を疑うことが大切です。

低血糖が起きた場合の対処法は?

 低血糖による症状が現れたら、ブドウ糖、もしくはブドウ糖に代わるものを摂取する必要があります。我慢すると低血糖の状態が進行して意識を失う危険があります。
 こうした低血糖の状態にならないため、ブドウ糖の錠剤や粉剤を処方する医療機関があります。普段は血糖をコントロールしていても、いつ低血糖の状態に陥るか分かりません。外出時には錠剤などを常に携行するようにして対策を講じておくことが大切です。
 低血糖を理由にブドウ糖を摂取する場合、ブドウ糖を10g、またはブドウ糖を含む飲み物を150~200ml程度の取るようにします。ちなみに10gのブドウ糖は20gの砂糖に相当します。もしブドウ糖がない場合、砂糖を代用品として20g程度摂取しても構いません。ただし、ブドウ糖以外の糖分は血糖値の降下が遅くなるので注意が必要です。また、薬物療法でα-グルコシターゼ阻害薬を服用する患者は、必ずブドウ糖を摂取するようにします。
 ブドウ糖を摂取して15分経っても低血糖の症状が続くなら、同量のブドウ糖、あるいはそれに代わるものを再度、摂取します。
 もし、ブドウ糖を口から飲み込むなどの行為ができない場合、周囲の人が「グルカゴン」を1バイアル(1mg)注射します。家族は本人の意識がなくなったときに備え、グルカゴン注射の方法を覚えておくようにしましょう。注射後は本人を医療機関に連れて行き、適切な治療を受けるようにします。なお、応急措置によって意識が回復したとしても再発するリスクが残ります。低血糖によって意識レベルが低下した場合、回復の有無を問わず医療機関を受診することが大切です。
 自身が糖尿病患者であることを示すカードを携帯することも大切です。1人で外出中に意識不明になったとき、搬送先の病院で迅速かつ的確な処置を施してくれるようにするために必要です。カードには氏名や住所、家族への連絡先、低血糖時の対処方法などを記しておきます。

血糖コントロールが悪化する“シックデー”に注意

糖尿病の人は、風邪などで体調を崩すことで血糖をコントロールしにくくなります。こうした状態を「シックデー」と呼びます。シックデーになると血糖値の上昇や下降が起こりやすくなります。風邪などによる発熱や食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢などの症状に伴う体調不良の状態がシックデーとなります。
 シックデーでは通常、血糖値が高くなりがちですが、食欲低下などによって低血糖になることもあります。発熱や下痢が見られたら脱水症状を防ぐため、水分を十分に補給する必要があります。
 食欲のないときは、お粥やジュース、アイスクリームなどの口当たりや消化の良い食べ物を取りましょう。食欲がなくても絶食しないようにします。
 インスリン療法を実施中の人はシックデーのとき、著しい高血糖になってケトアシドーシスに陥ることもあります。食事が取れなくても自己判断でインスリン注射を中断してはなりません。自分で3~4時間ごとに血糖値を測定し、もし200mg/dL以上になったら、速効型または超速効型インスリンを注射する必要があります。普段からシックデーで高血糖になった際にどのくらいインスリンを注射すればよいか、医師に聞いておくことが大切です。