数字で見る糖尿病
糖尿病(第8章)

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目標血糖値と人口推移、糖尿病で知っておきたい数字

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糖尿病 (8章-1) 増加傾向見られるも予備群は減少

国内で増え続ける糖尿病患者。実際にどれくらいの人が糖尿病になっているのでしょうか。
また、糖尿病の一歩手前といわれる予備群はどれくらいいるのでしょうか。
ここでは糖尿病にまつわる数や傾向についてまとめます。

糖尿病患者と予備群の合計は2,000万人

 日本では糖尿病を患う人が増加の一途を辿っています。多くが患っていることから“国民病”と呼んでも過言ではありません。
 厚生労働省が実施した「平成28年 国民健康・栄養調査」によると、「糖尿病が強く疑われる人」(ここでは以後、糖尿病患者と呼ぶこととします)は約1,000万人を数えます。これは2012年の調査結果より50万人、2002年の調査結果より260万人増えています。1,000万人という数字は過去最多となっています。
 一方、「糖尿病の可能性を否定できない人」(ここでは以後、糖尿病予備群と呼ぶことにします)はどのくらいいるのでしょうか。国民健康・栄養調査によると1,000万人でした。糖尿病患者を合わせると2,000万人で、日本人の約6人に1人は糖尿病、もしくは糖尿病予備群であるということが分かります。
 ただし糖尿病予備群は、2007年の調査結果をピークに減少しています。2007年の調査時は1,320万人でしたが、2012年は1,100万人に減少しています。糖尿病に対する危機意識が国民に浸透した、病気のリスクを啓発する国や自治体、医療機関の施策が奏功したことなどが減少の要因と考えられます。
 糖尿病患者と糖尿病予備群の合計は、2007年が2,210万人と多かったものの、2012年には2,050万人に減少し、2016年は2,000万人に減りました。

糖尿病と糖尿病予備群の合計は2,000万人

出典:厚生労働省「平成28年 国民健康・栄養調査」

加齢とともに患者数も増加

 国民健康・栄養調査によると、20歳以上の男性の場合、糖尿病患者の割合は16.3%を占めます。年齢別にみると、30~39歳の場合で1.3%、40~49歳の場合で3.8%、50~59歳の場合で12.6%、60~69歳の場合で21.8%、70歳以上の場合で23.2%となっています。加齢とともに割合は上昇し、60歳以上になると糖尿病を患うリスクは20%以上と高くなります。
 女性の場合はどうでしょうか。糖尿病患者の割合は9.3%でした。年齢別にみると、30~39歳の場合で0.7%、40~49歳の場合で1.8%、50~59歳の場合で6.1%、60~69歳の場合で12.0%、70歳以上の場合で16.8%でした。男性同様に、60歳以上になると糖尿病患者の割合が高くなる傾向が読み取れます。なお糖尿病予備群の割合も、糖尿病患者の割合とほぼ同じで、加齢とともに上昇しています。

今後も増え続けることが予想される糖尿病

 加齢とともに患うリスクが高くなる糖尿病。超高齢社会を迎える日本においては、糖尿病患者の割合は、高齢者の増加とともに増えることが予想されます。
 総務省が2016年に発表した統計によると、2016年9月15日時点で65歳以上の高齢者数は3,461万人で、総人口に占める割合は27.3%で過去最高となっています。約4人に1人が高齢者といえる状況です。
 世界保健機構(WHO)は、65歳以上の人口の割合が7%を超えると「高齢化社会」と定義しています。さらに、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と位置付けています。この定義に当てはめると、日本は「超高齢社会」を迎えていることになります。なお世界の主要国では、イタリア(22.7%)、ドイツ(21.4%)などが上位を占めます。主要先進国の多くが、「高齢化社会」「高齢社会」もしくは「超高齢社会」を迎えているのです。
 日本の高齢化率は今後、さらに高くなることを予想されます。2060年には、65歳以上の人は約2.6人に1人、75歳以上の人は約4人に1人になるといわれています。高齢者の増加は糖尿病患者の増加も意味します。国として糖尿病の予防や治療に注力することが求められているのです。

糖尿病の治療を受けていない人は減少傾向

 糖尿病は早期から治療を開始することで、合併症を引き起こすリスクを最小化でき、健康な人と遜色ない生活を送ることができます。しかし治療を怠れば、重大な合併症を引き起こし、生活の質の低下や寿命を短くしかねない影響を与えてしまいます。
 では、治療している人の割合はどのくらいいるのでしょうか。厚生労働省の「平成28年国民健康・栄養調査」によると、糖尿病患者のうち「治療あり」と答えた割合は76.6%でした。これは平成24年のときの結果より11.4%も上昇しています。
 一方、「治療なし」と答えた割合は23.4%で、約4人に1人は糖尿病であるにもかかわらず治療をしていないことが分かります。なお、ここでいう「治療なし」とは、「糖尿病治療の有無に『無』と回答した人」「糖尿病といわれたことの有無に『無』と回答した人」を含みます。必ずしも医師から糖尿病と宣告された人だけを対象にした調査ではありませんが、糖尿病が疑われる状況でも、治療を受けずにいる人が少なくないことが分かります。

合併症の糖尿病腎症が増加傾向に

 なお、糖尿病の合併症として起こりうる可能性の高い「腎症」。病気が進行して腎不全を招くと、透析療法や腎移植といった選択を迫られることになります。
 日本透析学会の「わが国の慢性透析療法の現状」によると、透析療法を行う国内患者数2015年末時点で32万4,986人を数えます。これは2014年調査時より4,538人増加しています。このうち、糖尿病を原因とする透析患者数は12万278人で、透析患者全体の38.4%を占めます。腎不全に陥った人の約4割は、糖尿病に起因する腎症を患っていたことが分かります。なお、2015年の1年間に新たに透析を始めた患者のうち、糖尿病腎症を原因とする人は1万6,072人で最も多く、全体の43.7%を占めています。

糖尿病 (8章-2) 血糖値をコントロールするときの目標値とは?

糖尿病の予防や治療において、最も気をつけたい数値が血糖値です。
普段から血糖値の変動に注意し、急激な上昇や降下を防ぐために
自分で血糖値をコントロールできるようにすることが大切です。
血糖値の自己管理こそ、積極的に取り組まなければならない予防策/治療法なのです。

血糖値を自己管理するために

 糖尿病は初期の段階では、特に症状が現れません。そのため、治療をしたとしても症状が改善したり体調がよくなったりといった効果を十分実感できません。治療が適切なのか分かりにくいことから、治療に対するモチベーションを得られにくく、中には治療を中断してしまう人も少なくありません。その結果、合併症を引き起こし、医療機関を受診したときには進行した状態になっていたというケースもあります。症状が現れないとしても医師のもとで治療を開始し、合併症を起こしにくくするよう努めなければなりません。
 このとき治療が順調かどうかの1つの目安となるのが血糖値です。血糖値が適正な値へ改善しているかどうか見守ることが治療には欠かせません。日々の血糖値を可視化すれば、治療のモチベーションにもつながります。ひいては、食事や運動といった生活習慣の改善策にも意欲的に取り組めるようになるのではないでしょうか。

目標値はHbA1cが7.0%未満

 では、血糖を正常化するための目安や基準はあるのでしょうか。年齢や合併症の有無などにより異なりますが、合併症を予防することに主眼を置く場合、ヘモグロビンA1c(HbA1c)の値が「7.0%未満」になるように目標値を定めるのが一般的です。血糖値は、空腹時血糖値が130mg/dL未満、食後から2時間後の血糖値が180 mg/dL未満を目安にします。

 ヘモグロビンA1cと血糖値は、医療機関などを受診すれば測定できますが、血糖値は自宅で測定することもできます。なお、自宅などで自ら血糖値を測定することを「血糖自己測定」と呼びます。
 血糖自己測定は、患者が専用の測定器を用いて血糖値を測定します。普段から血糖値を把握できるようにすることで、血糖をコントロールしやすくします。血糖値を測定する機器は安価なものが数多く登場し、自費で十分購入することが可能です。具体的にどんな機器が好ましいかを、かかりつけ医や薬剤師などに相談してもよいでしょう。なお、血糖自己測定を実施する場合、特定の条件を満たすときに限り保険が適用されます。
 血糖自己測定では、食後の高血糖が疑われる場合、食前の空腹時の血糖値と食後2時間後の血糖値を測定します。朝食、昼食、夕食時に実施し、1日のうちで血糖値がどう推移したのか把握できるようにします。
 1週間や1カ月といった単位で推移を確認し、もし血糖値が十分改善していない場合、かかりつけ医と治療方針を再検討するとよいでしょう。不適切な生活習慣を洗い出して改善することも必要です。また、測定結果はかかりつけ医に定期的に提出し、医師や看護師、栄養士から適切なアドバイスをもらえる関係を築いておくとよいでしょう。

血圧の管理も徹底する

 血糖値の管理はもとより、血圧の管理も怠ってはなりません。血圧の目標値は、収縮時血圧が130mmHg、拡張時血圧が80mmHg未満を目標値とします。これが合併症を予防するために必要な基準値となります。収縮時血圧が140mmHg、拡張時血圧が90mmHg以上の場合、薬物療法による血圧コントロールが必要となります。
 また、収縮時血圧が130~139mmHg、拡張時血圧が80~89mmHgの場合、生活習慣の改善によって血圧を下降させるのが一般的です。もし3カ月以上経過しても血圧が十分下降しない場合、医師の診断のもとで薬物療法を開始します。
血圧が正常値よりやや高めという人は、まずは減塩に取り組んだり、適度な運動を取り入れたりして生活を見直すようにします。こうした取り組みを習慣化するだけでも十分な効果を見込めます。また、血圧を自宅で定期的に計測することも大切です。血糖値同様、血圧も日々の推移を把握することで、治療や生活改善策が適切かどうかを判断できます。自分自身で血糖や血圧をコントロールできる生活習慣を身につけられるようにしましょう。