痛風の原因
痛風(第2章)

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プリン体やショ糖、果糖等の「摂り過ぎ」が痛風を招く

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痛風 (2章-1) どんな食習慣が痛風を招く?

痛風の指標となる尿酸値は、日頃の生活の仕方によって上昇したり下降したりします。
特に食事の影響は大きく、プリン体やショ糖、果糖、エネルギーの取りすぎは、
痛風のリスクを高めます。

プリン体の取りすぎに注意

 「痛風に悪い食事」と聞いて、「プリン体」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。プリン体という言葉をテレビや新聞で見る機会が増え、プリン体を取りすぎると尿酸値が上がって痛風のリスクを高めることは、今では広く知られるようになりました。
 プリン体は尿酸の原料です。体内にあるプリン体のうち、食事に由来するものの比率は20%程度と必ずしも高くはありませんが、プリン体と尿酸値の関連が深いことは明確です。
 肉類や魚介類は一般的にプリン体を多く含みますが、種類や部位によっては少ないものもあります。取りすぎを防ぐ場合、プリン体の1日の摂取目安量である400mg以下に留意します。以下に挙げたプリン体含有量の多い食品を日常的に摂取するような食習慣は、痛風のリスクを高めてしまうので注意が必要です。
 食べる量にも目を向けます。以下は食品100gに含まれるプリン体の量ですが、プリン体が極めて多いとされるレバーや白子、アンコウ肝を100gも食べることはありません。その一方で、あまり多くないと分類されるものでも、1食に300gも食べればプリン体の摂取量は多くなります。また干物や干しシイタケのような食品は乾燥重量なので、乾燥する前の状態よりも100gあたりのプリン体が多くなります。
 痛風の人は過食傾向があり、必要以上に多くの食事を取っている人が多いのが現状です。1日に4,000kcalを摂取していた人が摂取量を2,000kcalに減らせば、プリン体の摂取量を半分にすることができます。痛風の食事療法としては質も大事ですが、それ以上に量が大事です。

食品のプリン体含有量(100gあたり)

出典:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版

甘いお菓子やジュースの過剰摂取に注意

 お菓子やジュースなどの甘いものの取りすぎは、肥満や糖尿病予防の観点から注意が必要です。しかし実は、痛風のリスクとしても十分注意しなければならない要素の1つです。

甘い食べ物が痛風のリスクを高める

 お菓子やジュースなどの甘い食べ物や飲み物の取りすぎは、痛風のリスクを引き上げる。

 甘いものといえば糖質ですが、糖質にはいくつかの種類があります。特に痛風のリスクとして問題になるのは果糖です。文字を見ても分かるように果物に多く含まれる糖質です。果糖の摂取量が多くなるほど、それに比例して尿酸値が上昇することが分かっています。

エネルギーの取りすぎに注意

 糖質の取りすぎとも関係しますが、エネルギーの取りすぎも痛風のリスクとして問題視されています。近年は、高尿酸血症・痛風の食事療法の主眼がプリン体の摂取制限から総エネルギーの摂取制限に移行しているほどです。
 エネルギーの取りすぎは肥満にもつながります。痛風を発症した人の約60%に肥満が見られます。また、肥満度と尿酸値は比例関係にあり、肥満度が高いほど尿酸値も高くなります。

痛風 (2章-2) アルコールは痛風の原因

アルコールの摂取量が多いほど尿酸値が高くなり、
痛風発作も起こりやすくなることが最近の調査で明らかになっています。
アルコールそのものによる尿酸値の上昇に加えて尿酸の排出抑制作用もあるので、
その影響は侮れません。

すべてのアルコール飲料に尿酸値を高める作用が

 さまざまあるアルコール飲料の中でも高尿酸血症や痛風において注意すべきはビール、という認識が広まっています。確かにプリン体含有量の関係などもあり、ビールが特に注意しなければならないアルコール飲料であることに間違いありません。ただし、ほかのアルコール飲料なら大丈夫と思ったら大間違いです。種類に関係なくアルコールそのものに尿酸値を高める作用があるため、安心して飲めるアルコール飲料というものは存在しません。
 アルコールが尿酸値を高める過程は大きく3つに分かれます。1つめは、アルコール代謝における尿酸値の上昇です。アルコールを分解するときにATPが使われ、その代謝の過程で尿酸が作られるのです。2つめは、尿酸の排せつ阻害です。アルコールは尿酸を尿中に排出する作用を妨げるように働きます。アルコールが代謝されるときに作られる乳酸に、尿酸を体内に蓄積させる作用があることも関係しています。3つめは尿酸の濃縮です。アルコールには利尿作用(尿を多くする作用)があり、アルコール飲料を飲むと尿酸の排せつを妨げつつ排尿の量は増えるため、結果的に体内に残った尿酸が濃縮されてしまうのです。

特にビールは注意が必要

 数あるアルコール飲料の中でもビールに注意する理由の1つは、プリン体を多く含んでいるからです。ビールの原料であるホップ(大麦の麦芽)にプリン体が多く含まれています。
 100ml中のプリン体含有量をアルコールの種類別で見てみましょう、蒸留酒であるウイスキーは0.1mg、ブランデーは0.3mg、焼酎(25%)は0.0mg、梅酒は0.2mgです。飲酒が必ずしも推奨されるわけでないものの、これらに含まれるプリン体の量は少なめです。醸造酒である日本酒は1.2~1.5mg、ワインは赤、白とも1.6mgです。
 これに対しビールは、メーカーによって幅がありますが3.3~8.4mgと高くなります。地ビールに限れば4.6~16.7mgとさらに高値です。各種アルコール飲料と比べると、ウイスキーの30~170倍、ワインの2~10倍となります。ビールのアルコール度数はほかのアルコール飲料に比べて低いことから、1回に飲む量が多くなりがちです。そのため実際は、ここに挙げた数値の何倍ものプリン体を摂取することがあります。ビール大瓶1本を飲んだ場合、プリン体をおよそ50mg摂取することになります。さらにプリン体の多いおつまみを一緒に取れば、1日の摂取量の目安をすぐに超えてしまいます。このような理由から、飲酒の習慣のある人、特にビール好きの人は痛風発作に陥りやすいのです。
 ちなみに、ビールとよく似たアルコール飲料である発泡酒の100mlあたりのプリン体含有量は2.8~3.6mg、ホッピーは黒が1.1mg、黄色が1.3mgで、ビールよりやや低めです。また、近年はプリン体含有量を抑えたビールや発泡酒も販売されています。一方、地ビール並みに含有量が多いのは紹興酒で、7.7~11.6mgとなっています。

主なアルコール飲料に含まれるプリン体含有量(100mlあたり)

出典:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版  無酸素運動は痛風発作を招く危険がありますが、激しい運動をした後にビールを飲むといった習慣は、その危険性をさらに高めてしまうのです。

痛風 (2章-3) 病気や薬が原因になることも

痛風・高尿酸血症の中には、何かの病気が影響して尿酸の産生促進や排せつ低下を起こす、
二次的に発症するタイプがあります。
また、別の病気の治療薬が原因になるケースもあります。

腎臓病や血液の病気、悪性腫瘍が原因で発症

 病気や症状を引き起こす元になる病気を「基礎疾患」といいます。痛風・高尿酸血症の基礎疾患には、慢性腎不全などの腎臓病、白血病や骨髄腫、悪性リンパ腫、多血症、溶血性貧血といった血液の病気、がんや肉腫といった悪性腫瘍などが知られています。

痛風や高尿酸血症の元になる主な基礎疾患

 がんや悪性リンパ腫、白血病、骨髄腫などの疾患は、痛風や高尿酸血症を引き起こしやすい。

 腎臓病の場合、腎機能の低下によって、老廃物や尿酸の排せつ機能が弱まってしまうのが尿酸値上昇の原因です。白血病や骨髄腫の場合、病気の経過として細胞の破壊が進むため、その過程で尿酸が大量に作られることで尿酸値が上昇します。血液の病気の場合、悪い細胞を破壊するための薬物治療などがメインとなり、治療の結果、尿酸が産生され尿酸値が上がる面もあります。がんや肉腫といった悪性腫瘍の場合も、細胞の増殖と破壊が繰り返される過程で尿酸が大量に作られるため、尿酸値が上昇してしまうのです。

遺伝性の病気が関係することも

 遺伝性の病気が痛風・高尿酸血症の元になる場合もあります。例えば、「レッシュ・ナイハン症候群」という病気は主に男性に見られるもので、生まれつき尿酸値を調節する酵素が欠損しているために尿酸値が非常に高くなってしまう病気です。また、糖の代謝に関連する酵素が生まれつき欠けている「糖原病」も、痛風・高尿酸血症の基礎疾患となりえます。尿酸値の上昇を伴う遺伝性の病気はほかに、「ホスホリボシルピロリン酸合成酵素亢進(こうしん)症」などがあります。  

降圧薬、抗結核薬、消炎鎮痛薬などが影響

 尿酸値を高める主な薬には、高血圧の薬(サイアザイド系降圧利尿薬など)、結核の治療に用いられる薬(ピラジナミド、エタンブトールなど)、痛みなどを取る消炎鎮痛薬(サリチル酸など)、体内の余分な水分を排せつさせてむくみなどを改善する利尿薬(フロセミドなど)、喘息治療薬(テオフィリンなど)があります。また、抗がん剤や免疫抑制剤によって尿酸値が高まることもあります。頭痛や歯痛などの薬としておなじみのアスピリンも、少量では尿酸値を高めるリスクがあります。
 薬以外でも、例えばサプリメントや健康食品に分類されるものの中にも尿酸値を高める作用を持つものがあります。核酸成分を豊富に含むものは特に注意が必要です。
 特定の薬やサプリメントが原因で尿酸値が上がってしまった場合、それらの使用を止めることで尿酸値は元に戻ります。ただし、基礎疾患の治療目的で使っている薬を自己判断で止めてはいけません。基礎疾患の治療と、痛風・高尿酸血症の治療を両立させるためにも、主治医とよく相談するようにします。時には尿酸値を高めにくい薬に変更するなどの工夫をしながら治療に取り組むことが大事です。