入院・医療費
痛風(第6章)

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痛風治療にかかる費用はどれくらい?知っておきたい数字

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痛風 (6章-1) 痛風治療にかかる費用は?

痛風は基本的に通院治療が可能で、
治療は広く出回っている薬を使った薬物療法が主体のため、高額な医療費を必要としません。
ただし、治療が長期間におよぶことがあり、費用がかさんでいきます。

発作の鎮静に効果的なNSAIDパルス療法は意外と安価

 痛風発作時にはNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)を短期間、大量に投与するNSAIDパルス療法を行います。痛風発作に適応されるNSAIDは、インドメタシン、ナプロキセン、オキサプロジン、プラノプラフェンの4種類で、これらを主成分とする薬を、各医薬品メーカーが製品化して、商品名をつけて販売しています。どの薬をどれくらいの量・期間で用いるのかは、病状や相互作用を考慮して医師が判断します。薬によって値段が多少違うため、それにより治療費にも差があります。
 例えばインドメタシンを主成分とする「インテバンSP」には25mgと37.5mgタイプがあり、それぞれ1錠7.9円、11.2円です。日本での用法・用量は「25〜75mg/日、1~3回」です。なお、実際に支払う薬代は、薬剤師による調剤料、患者に対する薬剤服用歴管理指導料などが加算され、負担の割合によって支払う金額が算出されます。
 ナプロキセンを主成分とする「ナイキサン錠100mg」は1錠7.4円です。用法・用量は、「発作時初回400~600mg、以後、300~600mg/日、2~3回に分服」となっています。
 「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版」に例示するナプロキセンを使ったNSAIDパルス療法を参考に薬代を算出してみましょう。「300mg を3時間ごとに3回、1日に限って投与。その後も疼痛が軽減しない場合は3回投与後、24時間の間隔を置いてもう一度、300mg を3時間ごとに3回服用」とする場合、1日9錠で66.6円、2日使った場合は133.2円となります。
 そのほか、例えばオキサプロジンが主成分の「アルボ」は100mgと200mgタイプがあり、それぞれ1錠18.9円、28.1円です。プラノプラフェンが主成分の「ニフラン」(75mg)は1錠11.4円です。いずれの場合も発作時に用いる薬代は1日100円前後となります。

副腎皮質ステロイドやコルヒチンも低負担

 同様に副腎皮質ステロイドの薬代も見てみましょう。例えばプレドニゾロンを主成分とする「ブレドニン錠」(5mg)などがありますが、値段はほぼすべて1錠9.6円です。
 「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版」にある「プレドニゾロン15~30mg を投与し関節炎を鎮静化、1週ごとに3分の1量を減量、3週間で中止」という方法にあてはめると、1回に3~6錠使っても28.8~57.6円で、3週間使い続けたとしてもそれほどの金額にはなりません。ただし、「重症例においては少量(1日5mg程度)を数カ月間投与せざるをえない場合もある」とあります。この場合はその分、医療費が上乗せされます。
 コルヒチンを主成分とする薬は「コルヒチン」(0.5mg)で、1錠7.8円です。前兆期に1日1錠を使用します。尿酸降下薬を使い始めたことによる、急激な尿酸値低下が原因の痛風発作を予防する目的で使う場合、1~3カ月ほど用いることになりますが、薬代は最長の3カ月でも約700円です。

医療費の自己負担額は1カ月あたり数千円

 痛風発作が治まった2週間後くらいから、尿酸降下薬を使い始め、尿酸値が6.0mg/dL以下まで下降したら、その後は数値を維持する治療を続けます。そのため、治療は長期間にわたります。尿酸降下薬の値段は後発品を含めると1錠5.8~109.6円までと幅があります。
 治療が始まれば薬代のほか、定期的な医師による診察(初診、再診)料、処方箋料、生活指導などを含む医学管理料、各種検査料などがかかります。検査としては、必要に応じて尿酸・クレアチニンのクリアランス検査のほか、患部のエックス線検査、尿路結石がないかを確認するための腹部超音波検査などを行います。痛風で月に1回程度の通院治療を受けた場合、1回の通院でかかる医療費(診察、薬)の自己負担額は一般的には数千円程度となります。仮に1カ月あたり5,000円としたら、1年間で6万円の医療費がかかります。発作を繰り返すようになれば、この程度の金額が毎年必要になることを踏まえておきましょう。

治療が長期化すれば医療費の負担も大きくなる

 毎月数千円程度の医療費でも、痛風の場合は治療が長期化しやすい。半年、1年と治療し続ければ、毎月5,000円であっても年間6万円となり大きな負担になりかねない。

痛風 (6章-2) 尿酸降下薬の種類と選択のポイント

尿酸値をコントロールする場合、尿酸排せつ低下型高尿酸血症には「尿酸排せつ促進薬」、
尿酸産生過剰型高尿酸血症には「尿酸生成抑制薬」を使うのが基本です。
両者合わせて6種類ある尿酸降下薬を、
合併症を考慮しながら適切に選択することが治療の重要なポイントです。

尿酸値上昇の原因に合わせて薬を選択

 高尿酸血症には、尿酸値が上昇している原因によって尿酸排せつ低下型、尿酸酸性過剰型、混合型の3つの病型があります。尿酸降下薬を使う場合はこれら病型と、合併症の有無などの個人の条件に応じて薬を使い分けます。
 尿酸降下薬には、腎臓からの尿酸排せつをスムーズにする尿酸排せつ促進薬と、尿酸を作り出す代謝活動を抑える尿酸生成抑制薬があります。前者は、尿酸の産生機能には問題がないものの排せつ機能に問題があって尿酸値が上昇している場合に使われます。後者は、排せつ機能を維持するものの尿酸が作られすぎて排せつが追いつかない場合に使われます。
 薬を使い分けるのは、薬の使用量を必要最低限に抑えながら効果をできるだけ高めることや、副作用を回避できるようにするのが目的です。病型に合わない薬を用いると、薬が効きすぎたり、効果を得られなかったりする可能性があります。
 例えば、尿酸排せつ低下型の人に尿酸生成抑制薬を用いた場合、尿酸値が下がりすぎる可能性があります。また、尿酸産生過剰型の人に尿酸排せつ促進薬を用いれば、体内で尿酸が多く作られて、尿酸値の上昇や尿酸塩結晶の蓄積を促進するかもしれません。

尿酸排せつ促進薬には尿をアルカリ化する薬を併用

 日本で現在使われている尿酸排せつ促進薬は、プロベネシド、ブコローム、ベンズブロマロンの3種類です。
 ブロベネシドは1951年から痛風の治療に使われ、日本では1956年に導入されています。薬剤相互作用が多いため、ほかの薬との飲み合わせに注意が必要です。持続時間が短いことから、1日2回の服用が必要です。
 ブコロームはもともと、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)として開発された薬です。その後、尿酸排せつ促進作用が認められ、痛風治療に使われるようになりました。頻度は低いものの胃腸障害の副作用があります。ワルファリンカリウムを服用している人も使用には注意が必要です。
 ベンズブロマロンは1979年から日本で使われ、3つの尿酸排せつ促進薬の中でもっとも尿酸排せつ作用が強く、日本では一番多く使われている薬です。体内でゆっくり分解されるため、1日1回の服用で効果が持続します。ブコローム同様にワルファリンカリウムとの併用には注意を要します。ごくまれに劇症肝炎などの危険な副作用が出る可能性があるので、投与を始めてから6カ月間は定期的に肝機能検査を受ける必要があります。
 なお、これらの尿酸排せつ促進薬を使用する場合、尿をアルカリ化する薬を併用して尿路結石を防ぐようにします。また、中等度以上(GFRが30mL/分/1.73 ㎡以下、または血清クレアチニン値が2.0mg/dL以上)の腎障害がある場合、尿酸生成抑制薬を使う方が適切です。

1つしかなかった尿酸生成抑制薬に新しい仲間

 尿酸生成抑制薬には、アロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタットの3種類があります。
 アロプリノールは欧米で1964年から、日本では1969年から痛風治療に使われており、長い間、唯一の尿酸生成抑制薬として利用されてきました。作用が強く、効果が長時間持続するのが利点です。腎障害のある人が使う場合、障害の程度に合わせて投与量を調節します。
 フェブキソスタットは日本で発明された薬剤で、2011年5月から使用できるようになった比較的新しい薬です。1種類しかなかった尿酸生成抑制薬に新たに加わったという意味でも注目されています。腎障害があっても中等度の障害までなら量の調整は不要です。確実な尿酸値低下作用があり、副作用もごくまれで、日本で投与が増えているだけでなく、世界的にも標準薬になりつつあります。そのほかに、やはり日本で発明されたトピロキソスタットという薬剤もあります。
 なお、これらの薬を利用する場合、実際は医師が個々の症状や状態に応じて処方します。尿酸値をコントロールするには、主治医の指示通りに服用することが大切なのはいうまでもありません。

痛風 (6章-3) 知っておきたい痛風に関する“数字”

痛風について勉強すると、さまざまな「数字」が登場します。
ここではその数字がどんな意味を持つのかをまとめました。
意外と知らないデータもあるので、ぜひ参考にしてください。

痛風の現状を数字で把握

 痛風に関する書籍やWebサイトなどを見ると、指標となる値や統計情報、期間や時間、種類といったさまざまな「数字」が紹介されています。自分の体の状況や一般的な動向を把握するために役立つ数字が少なくないので、目安として覚えておくことが大切です。
 では具体的に、どんな数字を参考にすればよいのでしょうか。痛風を学ぶ上で知っておきたい代表的な数字と、その意味を以下で解説します。

 ・7.0mg/dL
 痛風のベースとなる高尿酸血症を定義する重要な数字。尿酸値の値が7.0mg/dLを超えたら、性別や年齢を問わずに「高尿酸血症」と診断されます。

 ・痛風を理解する上で必ず知っておきたい「7.0mg/dL」

 血液中にある尿酸の量を示しているのが尿酸値。この値が「7.0mg/dL」を超えると「高尿酸血症」となる。健康診断などで尿酸値の結果を見るときは「7.0mg/dL」を超えているかどうかが1つの目安となる。

 ・約95%
 痛風患者に占める男性の割合。男性は女性に比べて尿酸値が高くなりやすく、その結果として痛風にもなりすいことがこの数字を見るとはっきり分かります。

 ・約6割
 痛風患者に占める肥満の人の割合。太りやすい生活習慣と、痛風になりやすい生活習慣が似ていることを示しています。

 ・約70%
 痛風発作が体の各部位のうち足の親指の付け根に起こる割合。ある日突然、足の親指の付け根に激痛が走ることで知られる痛風ですが、実は約30%はほかの部位で起こっています。例えばかかとや足の甲、膝、くるぶし、親指以外の指の付け根、手の指の関節、手首、肘などでも起こります。

 ・24時間以内
 痛風発作が起こってから痛みのピークに達するまでの所要時間。できればピークになる前に医療機関を受診したいものです。

 ・7~10日
 痛風発作が起こってから症状が治まるまでの日数。1週間ほど症状が続くケースが多いようです。痛みのピークに達するまでの時間は24時間といわれていますが、症状自体は以後も続きます。

 ・9.0mg/dL以上
 痛風発作と合併症がなくても、高尿酸血症の薬物療法を考慮する目安となる値。尿酸値が9.0mg/dL以上の人は、将来、痛風発作を起こす可能性が、9.0mg/dL未満の人に比べて格段に高くなります。合併症がある場合は8.0mg/dL以上で薬物療法を考慮します。

 ・約20%
体内に存在するプリン体の中で、食事に由来するものの割合。意外と低く、プリン体を多く含む食品を控えるだけでは痛風を予防することは必ずしもできません。

 ・0.6倍
 乳製品の摂取量が少ない集団の痛風発作の発症リスクを1としたとき、乳製品を多く摂取する集団の痛風発作の発症リスクの値。乳製品を多く摂取した方が痛風発作の発症リスクを低減できることがアメリカの研究で示されました。予防目的で乳製品摂取を心がけることは1つの方法かもしれません。

 ・約20分  痛風予防に効果的な有酸素運動を開始してから、体内で脂肪の燃焼が始まるまでの所要時間。有酸素運動は20分を超えてしばらく行うのが効果的とされます。

 ・3種
 高尿酸血症の病型の数。尿酸排せつ促進型、尿酸産生過剰型、混合型の3つがあります。

 ・約2500年前
 痛風が治療の必要な病気と認識された時期。歴史をたどると約2500年も前になります。現代医学の父とも呼ばれるヒポクラテスが、紀元前5世紀にすでに痛風の治療をしていた形跡があります。

 ・6種類
 現在、日本で用いられている尿酸降下薬の種類です。内訳は尿酸排せつ促進剤が3種類、尿酸生成抑制薬が3種類です。

 ・30~39歳
 高尿酸血症の人の年齢別頻度で最も高い年齢層。比較的若い世代に多いことを意外に思う人も多いのではないでしょうか。

 ・60~69歳
 痛風で通院中の男性の年齢別頻度で最も多い年齢層。若いときから徐々に尿酸値が高まり、中高年になって痛風発作を発症するケースが多いものと考えられます。

 ・約300万円
 痛風の治療にかかる1カ月の医療費を5,000円(自己負担額)とした場合、30代~70代までの50年間、通院し続けたときにかかる治療費。若いうちに痛風になると、長期にわたって治療する可能性が高く、相応の医療費が必要になることが分かります。