数字で見る脂質異常症
脂質異常症(第8章)

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日本人成人の5人に1人が脂質異常症?さらに予備軍も・・・

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脂質異常症 (8章-1) 脂質異常症の国内患者数とその予備群

国内における「脂質異常症が疑われる」成人は決して少なくありません。
脂質異常症予備群も含めると、
脂質異常症は日本人にとって決して人ごとではない身近な病気となっています。
厚生労働省の資料などから現在の状況を俯瞰してみましょう。

日本人成人の5人に1人は「脂質異常症の疑い」

 厚生労働省の平成27年国民健康・栄養調査によると、2015年時点で日本人成人の22.5%が「脂質異常症が疑われる」状態という結果が公表されています。これを男女別に見ると男性26.0%、女性20.2%であることから、日本人成人男性の4人に1人、女性の5人に1人が「脂質異常症が疑われる」といえます。なおこの調査では、以下の条件のうち1つ以上該当する人を、脂質異常症が疑われると定義しています。

脂質異常症が疑われる条件

 HDLコレステロール値、コレステロール値を下げる薬、中性脂肪値を下げる薬に関する3つの条件のうち、1つでも当てはまると脂質異常症が疑われる。

 この条件にはLDLコレステロール量による基準が含まれていないため、厳密には脂質異常症の患者数とは一致しません。ただし、この割合からも日本人にとって脂質異常症は身近な病気といえるでしょう。

日本人成人女性の約半数は脂質異常症か予備群

 一般的に脂質異常症というと「LDLコレステロール値が高い状態」を思い浮かべる人が多いと思います。では、高LDLコレステロールの対象者数はどのぐらいなのでしょうか。
 厚生労働省の平成27年国民健康・栄養調査によれば、日本人成人の高LDLコレステロール血症(140mg/dL以上)に該当する割合は、男性19.6%、女性24.5%となっています。LDLコレステロール値のみをみると、日本人成人男性の5人に1人、女性の4人に1人が、脂質異常症の条件を満たす状態です。
 さらに、脂質異常症予備群とも呼ばれる境界域高LDLコレステロール血症(120~139mg/dL)の割合は、男性20.3%、女性23.9%でした。男性の5人に1人、女性の約4人に1人は脂質異常症予備群ということになります。
 LDLコレステロール値から見た脂質異常症と予備群の割合を合わせると、男性39.9%、女性48.4%となり、日本人成人男性の5人に2人、女性の約2人に1人は、脂質異常症か予備群という状態です。

脂質異常症未治療の人も油断禁物

 国内では、脂質異常症が疑われる状態であるにもかかわらず、未治療である人が少なくありません。厚生労働省の平成27年国民健康・栄養調査によると、脂質異常症が疑われる状態のうち、コレステロールを下げる薬か中性脂肪を下げる薬の少なくとも一方を服用している割合は、男性61.0%、女性88.7%にとどまっています。つまり、脂質異常症が疑われる男性のうち、約4割もの人が未治療であり、女性も9人に1人は未治療というのが現状です。これらを踏まえ、脂質異常症未治療者を対象とする調査の動向を見てみましょう。
 なお、脂質異常症の診断基準の1つに、LDLコレステロールが140mg/dL以上という条件があります。厚生労働省が調べた調査結果によると、コレステロールを下げる薬か中性脂肪を下げる薬を服用してない人のLDLコレステロールを調べたところ、男性の31.7%、女性の39.9%は、高LDLコレステロール血症と診断される140mg/dL以上でした。すべての人が正しい知識と治療法で、LDLコレステロール値を改善しているとは必ずしもいい切れない状況となっています。
 このことから、調査時点で脂質異常症の治療を行っていなかった日本人成人男性の約3割、女性の約4割は、高LDLコレステロール血症だったといえます。自分は「脂質異常症に縁がない」と思っている人も油断は禁物です。LDLコレステロールが過剰な状態が続くと、動脈硬化、脳や心臓の疾患の発症リスクを上昇させることが明らかになっています。また、中性脂肪が過剰になると 糖尿病、膵炎(すいえん)などを発症することもあります。
 脳疾患や心疾患は一度発症すると重症化しやすく、後遺障害が残ることも少なくないため、QOLが低下することもあります。
 すでに、脂質異常症と診断されている人はもちろん、現時点では脂質異常症に該当しない状態であっても、脂質異常症だけでなく合併症の発症を防ぐためにLDLコレステロールや中性脂肪を適切にコントロールすることが重要です。特定のリスクだけではなく、脂質異常症に関連するリスクを包括的に管理し、それぞれを考慮して治療することが基本となります。

脂質異常症 (8章-2) あなたは大丈夫? 健診項目で見る「脂質異常症」

脂質異常症は、「痛い」や「苦しい」といった自覚症状が現れにくい病気ですが、
定期健診を行えば早期発見が可能です。
健診の結果をチェックし、今後の生活習慣病対策につなげることが重要です。

脂質異常症と判定するには血液検査が不可欠

 脂質異常症の疑いがある場合、通常は血液検査の結果をもとに判定します。これは、脂質異常症の診断基準とされるLDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の値が、すべて血液中に含まれる各成分量で示されているためです。
 職場や自治体などで行う定期健診では、血液検査のなかに脂質異常症の判定基準となる脂質量の各項目が含まれています。なお、脂質異常症と診断するためには、医師の診察が必要です。

脂質以外に注意したい健診項目

 健康診断の結果、脂質値が基準範囲内であったとしても安心はできません。糖尿病(耐糖能異常を含む)や高血圧、家族に冠動脈疾患歴がある場合などは、脂質異常症の発症リスクが高くなる傾向があります。脂質だけでなく、糖代謝の項目や血圧の値も注視するようにしましょう。もし、糖代謝や血圧に異常が見られる場合は、医師の診察を受けた上で適切な治療を行うことが必要であると同時に、脂質異常症の発症を防ぐ対策も必要です。

メタボリックシンドロームには要注意

 メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪が一定以上蓄積していることに加え、血圧、血糖、血清脂質の3つのうち2つ以上基準値を超えている状態です。
 血圧、血糖、血清脂質の値を項目ごとに見ると、治療を要する状態でなくても複数の条件が重なるほど動脈硬化が進行する可能性が高く、脳卒中など脳疾患や心疾患の発症リスクも高まることが分かっています。国内でのメタボリックシンドロームの診断基準は、以下の通りです。

国内のメタボリックシンドローム診断基準

 メタボリックシンドロームと判定されなかった場合でも、血液中の脂質値だけでなく、各検査項目の数値をチェックすることが重要です。また、毎年の検査結果の変化を確認することで、脂質異常症だけでなくほかの病気の早期発見にもつながるので、検査結果用紙は処分せずに保存しましょう。