入院・医療費
高血圧(第6章)

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高血圧の薬代はどれくらい、少しでも安く抑えるには

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高血圧 (6章-1) 入院や治療時に知っておきたい薬のタイプ

現在、国内で主に使われている降圧剤は6種類あります。
患者の健康状態や特性に応じて医師が選択します。
主に、体内の水分を調整して血圧を下げるタイプの薬と、
血液の流れにくさを解消するタイプの薬があります。

代表的な降圧剤の作用と副作用をチェック

 高血圧を解消する薬の代表が「降圧剤」です。患者の多くが、血圧の値を目標まで下降させるため、複数の薬を組み合わせて服用することが少なくありません。どんな作用や副作用があるのかを含め、主要な降圧剤を紹介します。  ■利尿薬  利尿剤の中で主に使われるのは、腎臓に働きかけてナトリウムの排せつ量を増やして血圧を下げる薬です。高齢者や塩分摂取量の多い人に適しています。尿酸や尿糖を増やすと考えられていることから少量使用が原則ですが、これらの服用で糖尿病患者が増加する可能性は少ないとされています。また、骨粗しょう症の人にも向くといわれています。
 主な医薬品名/アルダクトンA錠、セララ錠、フルイトラン、バイカロン錠、ラシックス錠、ルプラック錠、ほか

 ■カルシウム拮抗(きっこう)薬  日本で最も使われている降圧剤です。動脈の血管壁にカルシウムイオンが流れ込むのを抑えることで血管の収縮を防ぎ、血管を拡張させることで血圧を下降させます。動悸(どうき)や頻尿、便秘などの症状がまれに見られますが、副作用はほぼなく、多くの患者に適しています。一部の薬は、グレープフルーツやグレープフルーツジュースを一緒に取ると、効きすぎてしまうことがあります。
 主な医薬品名/アダラートCR錠、アムロジンDD錠、カルスロット錠、カルブロック錠、ノルバスクOD錠、ヒポカ、ヘルベッサー錠、ランデル錠、ほか

 ■アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬 「アンジオテンシンI」という物質は、動脈や副腎皮質で血圧を上げる働きをする「アンジオテンシンⅡ」に変わります。この変換に使われるのがアンジオテンシン変換酵素(ACE)で、その作用を抑えるのが阻害薬となります。咳(せき)や喉のイガイガなどの副作用があるものの、心臓や腎臓を保護する作用があります。妊娠中や授乳中の人、高カリウム血症の人は使えません。
 主な医薬品名/アジルバ、アデカット錠、エースコール錠、ゼストリル錠、レニベース錠、ロンゲス錠、ほか

 ■アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)  血圧を上げる「アンジオテンシンⅡ」という物質の受容体をブロックして血管を拡張させます。副作用はほぼなく、心臓病や腎臓病の人に向きます。妊娠中や授乳中の人、高カリウム血症の人は使えません。
 主な医薬品名/アバプロ錠、イルベタン錠、オルメテック錠、ディオバン錠、ブロプレス錠、ミカルディス錠、ほか

 ■β(ベータ)遮断薬  交感神経が興奮したときに働く「カテコールアミン」という物質が、心臓にある「β受容体」に結びつくことを防ぎます。交感神経の活動を心臓に伝わりにくくすることで、脈拍や血管の収縮を抑えて血圧を下げます。α(アルファ)受容体にも同時に働く、「α・β遮断薬」という薬もあります。気管支喘息の誘発や、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患などの悪化、運動能力の低下などといった副作用が起こりますが、狭心症やなどの心臓病を持つ人に向いています。喘息の人は使えません。
 主な医薬品名/(β遮断薬に)アセタノールカプセル、アドビオール錠、テノーミン、メインテートほか (α・β遮断薬に)アーチスト錠、アルマール錠、カルバン錠、トランデート錠、ローガン錠、ほか

 ■α1(アルファワン)遮断薬  血管が収縮するときに作用する受容体を遮断することで、血管の収縮を抑えて血圧を下げます。特に早朝高血圧に有効で、脂質異常症を改善する効果もあります。めまいなどの症状が見られる可能性があり、尿漏れのある人には向きません。
 主な医薬品名/エブランチルカプセル、カルデナリン錠、デタントール錠、バソメット錠、ほか

長期に服用しても効果は変わらず安全性も高い

 これらの薬は、長く使い続けると効果が弱くなるといったことはなく、予測できない重い副作用も起こりません。とはいえ服用する際は、かかりつけ医による定期的なチェックを受け、定められた量と用法を守って正しく飲むようにしましょう。
 もし、降圧剤の副作用と見られる症状が現れたり、薬や通院に関して心配があったりする場合、症状や懸念を医師に伝え、対処法や解決策をアドバイスしてもらいましょう。中には相談しにくい事情や体の変化などがあるかもしれません。そんなときでも極力、医師に相談し、適切な解決策を模索するようにします。医師が日々の変化を把握しやすくするため、血圧や症状を記録するノートを提出してもよいでしょう。

高血圧 (6章-2) 高血圧治療に必要な薬の値段

皆さんは高血圧の治療に必要な薬の値段をご存じでしょうか。
複数の薬を併用する場合などは、費用が気になることもあります。
医師に相談したり調剤薬局を選んだりすることで負担を軽減できる場合もあります。

同じ作用の薬でも値段は異なる

 高血圧の薬にはさまざまな種類があり、値段もそれぞれ異なります。薬の値段は「薬価(やっか)」と呼ばれ、降圧剤なら1錠あたり40~100円のものがほとんどです。国民健康保険や健康保険組合に加入する人の場合、実際に支払う自己負担額は3割となります。
 同じ働きをする薬でも値段が異なる場合があります。例えば、後発薬(ジェネリック医薬品)なら、値段を2~7割程度に抑えられます。薬の場合、高額になるほどよく効くというわけではありません。処方箋に同じ名前の薬が記されていたとしても、「25mg」や「50mg」などの量の違いで値段が異なる場合もあります。
 薬ごとの薬価や効能について調べたい場合、薬品情報だけを集めたガイドブックを参考にするとよいでしょう。ただし、これらの多くが専門的で値段も高いことから、まずは図書館などでチェックしておくとよいでしょう。病院や薬局で質問するのも手です。

薬局によって費用が異なる場合も

 調剤薬局などで薬代を支払うとき、薬そのものの料金に加えて調剤料や調剤基本料がかかります。薬局によっては薬剤服用歴管理指導料や、かかりつけ薬剤師指導料といった費用が追加されるケースもあります。

調剤薬局などで支払う薬代に含まれる主な費用

 病院で発行してもらった処方箋を、どの調剤薬局に持ち込むのかにより、薬にかかる費用は異なります。また、常用薬の種類や処方薬の量、日数、使用法などを記録する「お薬手帳」の有無によって金額が異なる場合もあります。
 例えば、薬剤服用歴管理指導料を加算する薬局の場合、お薬手帳を持参すると380円、持参しないと500円かかるケースがあります。また、調剤基本料は通常、410円かかります。ただし、大病院近くのチェーン展開する調剤薬局なら200円程度に抑えられることもあります。調剤薬局が発行する明細書を確認し、何のための費用なのか聞いておくとよいでしょう。
 ただし、費用を安価に抑えられる薬局を選ぶことが必ずしもよいわけではありません。薬の効果や服用の仕方、さらには生活習慣などを詳しくアドバイスする調剤薬局を選ぶのが好ましいでしょう。遠方ではなく近所で通いやすいといった条件も大切です。費用だけにとらわれず、総合的に評価して薬局を選ぶことが大切です。

薬代を節約するには

 薬の種類は、医師が薬の効果や安全性などを考慮して決めるため、患者ごとに金額が異なってしまうのは仕方ありません。それでも薬にかかる出費を極力減らしたいなら、まずは医師が処方する薬の量や必要性を確認し、その上で薬代を減らしたい旨を伝えましょう。節約したいからといって定められた量を服用しなかったり、服用する回数を減らしたりするのは危険です。
 安価な後発薬(ジェネリック医薬品)を利用するのも一案です。調剤薬局で後発薬を使用したいことを相談すれば、必要に応じて後発薬を用意してくれます。

高血圧 (6章-3) ジェネリックや配合剤の活用を

高血圧の薬を服用する場合、最近は多くのケースでジェネリック医薬品が使われます。
また、複数の薬を含んだ配合薬も少なくありません。
ここではジェネリック医薬品と配合薬について解説します。

ジェネリック医薬品を理解する

 ジェネリック医薬品(以下ジェネリック)は後発薬とも呼ばれ、効果や安全性などが同等の薬と同じ有効成分で作られている薬を指します。
 薬の研究や開発には莫大な費用がかかるため、新薬として登場した直後は薬の値段が高くなりがちです。しかし、特許の切れた後に作られる後発薬ならば、開発費などがかからないため、価格を2~7割ほど安く抑えることができます。
 ジェネリックと新薬として開発された薬の効果は基本的に同じです。しかし、患者の利便性を考慮し、英語表記だった薬剤名を片仮名に変えたり、大きな錠剤を小さくしたりする工夫を施すケースがあります。苦かった薬を甘い膜でコーティングするといった工夫も見られます。
ジェネリックは費用面における個人への負担を軽減するのはもとより、国の医療費を節約する効果も見込めます。そのため、病院や薬局では積極的にジェネリックを推奨する動きが見られます。もし、普段から服用している薬をジェネリックに変更したい場合、医師や薬剤師に相談するとよいでしょう。

ジェネリック医薬品が医療費削減に効果

 患者がジェネリック医薬品を選択・利用できるようにすることで、国全体の医療費削減を見込める。

 なお、「日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会」や「日本ジェネリック製薬協会」のWebサイトでは、ジェネリックのある薬の有無を調べることができます。登場したばかりの比較的新しい薬の場合、特許が切れていないなどの理由からジェネリックがないことがあります。

配合剤で薬代を抑えられる場合も

 ジェネリックとともに覚えておきたい薬が「配合剤」です。例えば血圧を下げる薬を服用する場合、体内の水分量を調節して血圧を下げる薬と、血管内の血液の流れにくさを調節する薬を服用するのが一般的です。2種類の薬を組み合わせることで、安全かつ効率よく血圧を下降させられます。このとき、2つの薬の成分を1つにまとめて服用しやすくしたのが配合剤です。2種類の薬を処方するよりも薬代を抑えられるほか、どちらかの薬を飲み忘れるといったリスクも防げます。
 ただし、双方の薬の成分量を調整することはできません。また、血圧を下げる薬を服用する場合、初めから配合剤を使うべきではありません。配合剤を使用することで、血圧が急激に下降することが起こらないとは限らないからです。配合剤を使用する場合、まずは1種類、もしくは2種類の薬を少量から服用し始めます。医師が最適な用量を見極め、切り替えるタイミングを探ります。
 なお、高血圧を下げる配合剤には、利尿剤とアンジオテンシンⅡ受容体拮抗(きっこう)薬(ARB)を組み合わせたもの、カルシウム拮抗薬とアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)を組み合わせたものがあります。3つの薬を組み合わせた配合剤もあります。

高血圧の毎月の治療費は?

 高血圧による治療費は、具体的にどのくらいかかるものなのでしょうか。ある健康保険組合が調べた統計データでは、高血圧症による1カ月あたりの医療費は1万6,600円でした。自己負担額を3割とすると、実際に支払う額は4,980円となります。ただしこれは高血圧症だけの治療費で、もし糖尿病や脂質異常症などを併発する場合、さらに治療費が上積みされることになります。ちなみに同じ健康保険組合の場合、糖尿病による1カ月あたりの医療費は2万4,770円(3割負担で約7,430円)、脂質異常症による1カ月あたりの医療費は1万6,430円(3割負担で約4,930円)となっています。 医療費を少しでも節約するためには、ジェネリックや配合剤を検討しつつ、ほかの病気を合併しないよう留意することが欠かせません。血圧を少しでも正常値に近づけるように、食事や運動などの生活改善策を取り入れることも大切です。なお、1年間の医療費が10万円を超える場合、確定申告することで控除を受けられます。